ちゃんと食べているのに、なんだか胃が重い。
朝から身体がだるくて、やる気がいまいち出ない。
夏の疲れは抜けたはずなのに、気づけば甘いものに手が伸びている。
10月の下旬にそう感じているなら、それは「秋の土用(どよう)」の時期だからかもしれません。
今日は、土用っていつ?なにをすればいいの?を、中医学(中国の伝統医学)の考え方とヨガの視点から、台所でできることを中心にお話しします。
そもそも「土用」ってなに?2026年の秋の土用はいつ?
土用というと「土用の丑の日=うなぎ」で夏のイメージが強いですよね。
でも実は、土用は年に4回あります。立春・立夏・立秋・立冬の前の、約18日間。季節と季節の「つなぎ目」の期間です。

2026年の秋の土用
- 期間:10月20日(火)〜11月6日(金)
- 秋の土用の丑の日:10月30日(金)
- 11月7日(土)の立冬から、暦の上では冬
※土用の日付は年によって変わります。正確な日付は国立天文台の暦要項などで確認できます。
土用になると、なぜ胃腸がしんどくなるの?
中医学では、季節の変わり目に身体を「次の季節モード」へ切り替える役目を、「脾(ひ)」が担っていると考えます。
ここでいう脾は、臓器の脾臓のことではなく、胃腸の働き全体をまとめたイメージ。食べたものをエネルギーに変えて、全身に届ける「台所」のような存在です。
季節が変わるたびに、この台所はフル稼働。
特に秋の土用は、夏の疲れの残りと、冬への準備が重なる時期です。そこに朝晩の冷えや乾燥も加わって、胃腸が「ちょっと休ませて」とサインを出しやすいと考えられています。
こんなサイン、出ていませんか?
- 食べると胃がもたれる、お腹が張る
- 朝から身体が重だるい
- 甘いものが無性に欲しくなる
- なんとなく気持ちが落ち込む、やる気が出ない
ひとつでも当てはまったら、それは「気合いが足りない」のではなく、季節の変わり目に身体が頑張っているサインかもしれません。
土用の養生は、堅苦しくなくていい
「養生」と聞くと、特別な食材や難しいルールを想像するかもしれません。
でも、私が大切にしているのは「台所薬局」の考え方。スーパーで買えるいつもの食材で、いつもの献立にひと工夫するくらいで十分です。
おばあちゃんが「季節の変わり目は胃にやさしいもの食べときや」と言っていた、あの感じ。病気になる前の「なんとなく調子がいまいち」の段階で、早めに自分を整える。中医学ではこれを「未病(みびょう)」のうちに整える、と言います。
今日からできる、秋の土用の台所薬局
1.冷たいものの後には、温かい汁物を一杯

胃腸は冷えが苦手と考えられています。冷たい飲み物を我慢する必要はありませんが、そのあとに温かいお味噌汁やスープを一杯。それだけで、胃腸がほっとします。
2.甘いものが欲しい日は、「黄色い甘み」をよく噛んで
中医学では、さつまいも・かぼちゃ・栗・お米などの自然な甘みは、脾をいたわるものとされています。
甘いものが欲しくなるのは、身体がエネルギーを求めているサインかもしれません。我慢するより、選び方を少し変えて、よく噛んで食べてみてください。
3.昔からの言い伝え「秋の土用は青いもの・『た』のつくもの」
夏の土用に「う」のつくもの(うなぎ・うどん)を食べるように、秋の土用には青いもの(さば・さんまなどの青魚)や、「た」のつくもの(大根・玉ねぎ・たまご)を食べるとよい、という言い伝えがあります。
科学的な決まりではありませんが、旬の食材ばかりなので、献立を考えるきっかけにちょうどいいんです。
10分でできる一品:さば缶と大根の煮物
- 大根(5〜6cm)をいちょう切りにして、少しの水でやわらかくなるまで煮る
- さばの水煮缶を汁ごと入れて、しょうゆ少し・すりおろし生姜を加えて5分
- 仕上げにねぎをのせたら完成
青いもの(さば)と「た」のつくもの(大根)が一度にとれて、温かい。缶詰なので、忙しい日でもすぐ作れます。
土用は「始める」より「整える」時期
昔は、土用の間は土を動かさない(工事や引っ越しを避ける)と言われていました。
今の暮らしにそのまま当てはめなくて大丈夫ですが、「新しいことを詰め込むより、今あるものを整える時期」と考えると、少し気がラクになります。
予定を一つ減らす。いつもより30分早く寝る。それも立派な土用の養生です。
座ったままできる、お腹をゆるめる3呼吸
- 椅子に座って、両手をおへその上に重ねる
- 吐く息で、おへそから上半身をゆっくり右にねじる。そのまま3呼吸
- 正面に戻って、反対側も。お腹の奥がじんわり温かくなる感じ、ありませんか?
※食後すぐや、お腹・腰に痛みがあるときは控えてくださいね。
知っているのに、自分のためにはできていない
「胃にやさしいものを食べる」「早く寝る」。きっと、どれも知っていることですよね。
家族が体調を崩したら、すぐにおかゆを作ってあげるのに、自分のことになると後回し。私もそうでした。
養生は、ご自愛です。
自分の身体の声に気づいて、少しだけやさしくしてあげること。それができると、不思議と家族や周りの人にも、もっとやさしくなれる気がしています。
ヨガのマットの上で「今日はお腹が重いな」と気づく。それを、台所や毎日の過ごし方に持ち帰る。stiria yogaが大切にしている「On the mat, Off the mat(マットの上の気づきを、日常へ)」は、こういうことなんです。
まずは1つだけ。今夜の汁物を、一杯
全部やらなくて大丈夫です。
11月6日までの秋の土用、今夜の晩ごはんに温かい汁物を一杯。そこから始めてみませんか?
「自分の身体の状態を一度見てほしい」「季節に合わせたヨガをしてみたい」という方は、少人数ヨガやパーソナルで一緒に整えましょう。
よくある質問
秋の土用の丑の日も、うなぎを食べるの?
うなぎは夏の土用の習慣として広まったもので、秋に食べなければいけない決まりはありません。秋の土用は、青魚や大根など、旬の食材を取り入れるのがおすすめです。
土用の期間にやってはいけないことはある?
昔は土を動かす作業(工事・引っ越し)を避けると言われていましたが、今の暮らしで気にしすぎなくて大丈夫です。「新しいことを詰め込まず、整える時期」くらいに考えるのがおすすめです。
胃の不調が続くときは?
養生は、日々の小さな整え方です。強い痛み、吐き気、食欲がない状態が続くときは、自己判断せず医療機関に相談してください。
秋の養生は、こちらの記事でも書いています。
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